ダイヤモンドの産地
ダイヤモンドはどこから来たの?
ダイヤモンドができたのは、およそ9億9000万年から33億年ほど昔よいわれます。地表から150キロから200キロほど深い、高温高圧の環境で成長して、マグマやキンバライトと呼ばれる火山岩によって地上まで運ばれます。
- ダイヤモンド拾う
- 最初の産地は、古代のインド。ダイヤモンドを含んだ鉱床が、長い間に雨や河川などによって崩壊し、水の流れによって運ばれました。こうした鉱床を、漂砂鉱床と呼びます。かつてのダイヤモンドは、掘って探すものではく、拾うイメージです。
- ダイヤモンドを含む岩石
- ダイヤモンドは川原で発見さることが多かったために、黄色の漂砂鉱床が発生の場所と考えられた。しかし、南アフリカのキンバリーでの発見以降、地底の高温高圧の世界で形成されたものであることが次第に明らかになりました。 上昇したマグマが冷えて固まれば、全てダイヤモンドを含むパイプになる訳ではなく、炭素系の鉱物を含む超塩基性の青黒い瀝青岩(蛇紋岩質)系のパイプのみダイヤモンドの含む可能性あるといわれます。
美しく輝く宝石として魅力の「ダイヤモンド」は3000年前にはインドで発見されたと伝わります。長い間インドがダイヤモンドの主要産地でしたが、ブラジルや南アフリカでもダイヤモンドが発見されるようになりました。
- インド鉱床
- 紀元前からの唯一の産地であるインド。インドでは鉱山からダイヤモンドを掘り出すのではなく、ダイヤモンドを含む岩石が風化して雨などで運ばれた漂砂鉱床。1720年代頃まで。
- ブラジル鉱床
- 15世紀にインドからダイヤモンドをダイヤモンド粉で磨く技術がベルギーに伝わり、研磨が可能になるとダイヤモンドは宝石の王様の地位を手に入れた。1725年にブラジルでダイヤモンド鉱床が発見されると、「ダイヤモンド・ラッシュ」となった。僅か150年ほどで衰退したブラジルの鉱床では、726.6キャラットの「ヴァルガス・ダイヤモンド」と262キャラットの「南の星」が産出した・
- オーストラリア
- 1980年代後半にオーストラリアで露天掘りの巨大鉱床が発見される。ピンクダイヤモンドを産出することで有名なアーガイル鉱山。年間3000万~4000万キャラットというとてつもない量を産出しますが、9割以上が工業用といわれます。
- ロシア・カナダ・中国
- その後、ロシア・カナダ・中国でダイヤモンド鉱山が発見される。
- アフリカのダイヤモンド
- インドが衰退すれば、ブラジルで発見。ブラジルが衰退すると、アフリカで発見。ダイヤモンドは運の強い鉱物である。まず、1866年にオレンジ川周辺で、ジャコブス少年が218キャラットの原石を拾った。その後の1869年にキンバリー(Kimberley)で大鉱山発見された。
- キンバリーのパイプ
- キンバリーでは、地中深くからパイプと呼ばれる竪穴を通じて噴出してきた溶岩にダイヤモンドが含まれと考えられた。以前は、黄色い砂礫層のみにダイヤモンドはあると考えられ、青色の岩石層に達すると採掘を中止した。
- しかし、この青色の岩石層が本来のダイヤモンド育成に欠かせないものとはんだんされ、パイプを深く掘しすすむ形態に移った。
- 新産出地
- 新産出地は、自らダイヤモンドを販売しています。損をしてまで競合を避け、DTCがサイトホルダーに提供する価格に準じている。
インド、ブラジルにかわるダイヤモンドの新しい産地
- ロシア
- 1829年、ロシアのウラル山脈でダイヤモンドが発見された。その後、ロシア政府は、キンバリー地方の地質・岩石と類似したシベリアのヤクーツク地方を探査し、1954年に有望な鉱山を発見した。
- カナダ
- 1998年にカナダの氷河湖にあるエカティ(Ekati)鉱山が良質のダイヤモンドを産出し始めた。
コンフリクト・フリー・ダイヤモンドと産地について
ダイヤモンドの利益が紛争の資金源となり、紛争が長期化することが問題になっています。その結果、リベリア、アンゴラ、コンゴ等のアフリカ諸国で、数百万人もの命が失われました。コンフリクト・フリー・ダイヤモンドとは、紛争の資金源とは無関係で正規のルートで市場へ流通したダイヤモンドのことを「コンフリクトフリーダイヤモンド」と呼びます。
- 紛争ダイヤ
- 紛争の資金源となるダイヤモンド。別名「ブラッド・ダイヤモンド」や「ダーティー・ダイヤモンド」と呼ばれます。
*日本国内で流通するダイヤモンドは、紛争ダイヤではないといわれます。 - キンバリープロセス
- キンバリープロセスは、不正取引を規制するための「ダイヤモンド原石の国際認証制度」のこと。
- 今では日本を始めとする世界69カ国で、ダイヤモンドの輸出入にはキンバリープロセス証明書が必要といわれます。
- ダイヤモンド業界では
- ダイヤモンド業界では、キンバリー・プロセスの導入により、世界に流通する99%のダイヤモンドがコンフリクト・フリー・ダイヤモンドである発表しています。
- 人権擁護団体では
- 人権擁護団体では、密輸されたブラッド・ダイヤモンドがコンフリクト・フリー・ダイヤモンドに混ぜられて、キンバリープロセス証明書が発行されていると指摘。
- キンバリー・プロセスは、「ブラッド・ダイヤモンドの阻止に役立っているけれど、まだ完璧とは言えない」ともいわれます。
- 原産地証明証
- 原産地証明書とは、ダイヤモンドの産出地を明記した証明書のこと。
- 産地判別の困難な鉱物ダイヤモンド
- ダイヤモンドは、地中深くの均一の条件で、炭素のみが結晶した単純な鉱物。異なる産地でも、鉱物の多様性がありません。一般的な検査で、ダイヤモンドを産地別に識別する方法は無いといわれます。エメラルド等はインクルージョンによって、産地または鉱山までも特定できる場合があります。
ダイヤモンドの流通 ソーティング
ソーティングとは、ダイヤモンドの検査・鑑定が終わり、鑑定書が発行される前の状態のこと。ダイヤモンドの4Cと蛍光性、寸法(ガードル直径と深さ)が記載された小さなビニール袋に入れてあります。パーセルと呼ばれる紙包みも使います。
- 宝石業界内でのダイヤモンド取引
- ダイヤモンドグレーディングレポートを一緒持ち歩くとかさばるので、通常はダイヤモンドをソーティング袋に入れて売買します。ソーティング(グレード)データは業者内取引においてとても重要です。