原石と研磨後のダイヤモンド

ダイヤモンドのカッティングスタイルの歴史

ダイヤモンドのカッティングスタイルの歴史

ダイヤモンドを磨く研磨の方法は、ダイヤモンド粉をオリーブオイルに溶いてペースト状にしたものを研磨盤につけて研磨します。「ダイヤモンドを磨くにはダイヤモンドで磨く」というフレーズを聞き覚えのある方も多いと思います。ダイヤモンドをカット&研磨する前の掘り出したままの原石も正八面体やマクルといった結晶体としての独特の魅力はありますが、研磨後に眩く輝く美しさにはかないません。

ダイヤモンドの屈折と分散を理解してカット(研磨)されたのは17世紀。推奨したのはルイ14世の宰相マザランと呼ばれる人物で、ブリリアント・カットの原型となる17面体のマザランカットの生みの親です。

トルコウスキー
1919年に20代の数学者、トルコウスキー(Tolkowsky)が光学的な計算に基づき理想のプロポーションを決めた。この理想的に光るカットを、アイデアル・カットと呼びます。

ブリリアント・カット

光学的な要素、光の反射、透過、屈折、分散(分光)で輝きは変わる。

シングル・カット
シングル・カットとは17の面を持つ初期のカッティングスタイル。現在でも見かることはあります。「メレ」と呼ばれる小さなダイヤモンドへのカットに有効です。
ブリリアント・カット
1700年ころにベネチアの職人ペルッチの作り出したのがブリリアント・カットである。下部に錐形を付けるとより輝くことを発見。この時代には、王侯貴族のパーティーで、ローソクの光で輝くダイヤモンドが求められるようになりました。
現在のラウンド・ブリリアント・カット
ダイヤモンドのカットスタイルの一つで、クラウン側に33のファセット、パビリオン側に25のファセットをもつ。このカットはダイヤモンドの光の効果を最高に引き出すといわれます。
リカット
リカットとは、再研磨しカットしなおす作業のこと。アンティーク・ジュエリーのダイヤモンドのように、古いカットのダイヤモンドをより輝くように最新のカットを施したり、表面近くのインクルージョンを取り除くといった場合に行われます。基本的に、リカットした場合により価値が上がると見込めたダイヤモンドをリカットします。
世界の主なカッティング工場
ベルギー、ニューヨーク、イスラエル、インド

ダイヤモンドを輝かせるティファニー・セッティング

1890年頃までは、金(ゴールド)と銀(シルバー)がダイヤモンドをセットするジュエリーの主な素材で、プラチナはまだ使われません。また、19世紀半ば頃までセットした石の裏側を塞いだ、クローズド・セッティングが石留め方法が主流でした。そのため、アンティーク・ジュエリーの作られた年代は宝石のセッティング方法や、素材によっておおまかな年代を推測できます。

1880年代になるとダイヤモンドの裏側からも光取り入れることで、よりダイヤモンドの輝きが増すことが経験的に分かるようになりました。そこで生まれたのが、現在ダイヤモンドセッティングの主流となっている「6本の爪でダイヤモンドを持ち上げる」セット技法です。発明したのは、有名なチャールズ・ティファニーです。

ダイヤモンドのカット評価の歴史

以前はGIAのダイヤモンドグレーディングレポートを見ても、現在のような「カットグレード」項目は無く、計測したカットのデータのみが記載されていました。1944年になると日本の宝石鑑別協議団体(AGL)が、カットの総合評価を開始します。この評価は、角度や比率などの数値が理論値に近いかを評価したもので、実際のダイヤモンドの輝きとは異なると考えられましたが、カットグレードの評価はダイヤモンド売買に携わる業界やお店、購入者に判断しやすく便利なものでした。

2006年1月にGIAも「ペインティング」と「ディギングアウト」の評価を加え、主観評価も加えたカット評価を開始し、ダイヤモンドのプロポーションを評価する、SARIN(サリン)やOGI(オギ)といったダイヤモンドのプロポーションを計測する機器にGIAのカットの評価データを組み込んで評価するようになりました。

2006年4月に日本でもGIA方式によるカットグレードに移行しました。

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