宝石顕微鏡の分解清掃にチャレンジ!
宝石オタクの私にとって宝石顕微鏡は、のどから手が出るほど欲しい憧れアイテム!安いものでも数十万円の高級品。簡単には手に入りません。
宝石鑑定・鑑別専用の顕微鏡
宝石用の顕微鏡が他の顕微鏡と異なる部分は、特徴的な暗視野照明。
暗視野照明とは、宝石内部を観察しやすくするため設計されたステージ。
ジャンク品だけど、やっと手に入れた宝石顕微鏡
- 1万円で売られていた、ジャンク品・宝石顕微鏡
- 1万円でしたが、やっと手に入れた宝石顕微鏡。とてもとても嬉しかったことを覚えています。
- それから2年ほど後、香港へ行った際にズーム機能付きの宝石顕微鏡を新品で購入。使う機会がなくなってほったらかしにしていました…。
- 修理すれば、使えます
- このままお蔵入りもかわいそうなので、修理してまだまだ使うことにします。
宝石顕微鏡状態を確認する
- ジャンク顕微鏡の状態
- 左側の接眼レンズが欠品
- 接眼レンズを取り付けるための筒がない
- オーバーヘッドライト(蛍光灯)が点灯しない
- 暗視野照明のランプが点いたり消えたりする
- 右側からは問題なく宝石を観察することができたので、しばらくは片側のみで使用していました。
- 双眼顕微鏡のヘッドの移植計画
- この顕微鏡はズーム機能がない固定倍率。ズーム機能があった方が使い勝手が良いので、ズーム機能付き双眼顕微鏡のヘッドを丸ごと移植しようかと考えていました。
しかし、結局はズーム機能付きの宝石顕微鏡を別に購入してしまったので、計画倒れのまま長い間放置されることになったわけです。
接眼レンズを手に入れる
- 接眼レンズを探す
- まずは、双眼顕微鏡の本来の姿を取り戻すために欠かせないのがもうひとつの接眼レンズです。
初めは同じモデルの接眼レンズを探していたのですが、なかなか見つからず、やっと見つかったレンズは想像以上に高価。購入を見送りました。 - 胎内星まつり
- 新潟の胎内市で年に一度開催される「胎内星まつり」に遊びに行った時に、適当な接眼レンズのペアを1,000円で発見!購入しておきました。
- 左の画像は純正の接眼レンズ。
中央の画像は「胎内星まつり」で見つけた接眼レンズのペアです。 - 光学機器がたくさん
- 星まつりを知らない方は、なぜレンズなんか売ってるの?と思われるでしょうが、星を見るには望遠鏡を使います。そこで望遠鏡やカメラや顕微鏡など、光学機器の関連商品を売る屋台がたくさん出るのです。とっても楽しいお祭りですよ。
接眼レンズの差込口の検討
- 流用できそうな筒を探す
- さて、次は接眼レンズと顕微鏡本体とを接続する筒状の何かを探します。
- この筒状のパーツは光学機器の分野では何と呼ぶのでしょう?チューブかな?パイプかな?
いつもお世話になっている近所のホームセンター「コメリ」へ、夕涼みがてらお散歩です。(現在、真夏で太陽が沈んだ後でも暑い!) - 水道関係
- 何か使えるものはないかといろいろ物色したところ、適当な物を2点発見。
- ひとつは水道関係に使うものと思われるネズミ色の塩ビ管系のパーツです。塩ビ管は自作スピーカーでもお世話になるので馴染みがあります。
- もう一点のベージュ色の方は何に使用するのか想像できませんが、「接続」と「解除」という機能が付いていて、接続側に回すと内径が少し細くなる?ようです。
しかも、なぜか接眼レンズの外径3.0mmにピッタリ!「解除」状態で接眼レンズを差し込んで、「接続」へ回すとしっかりロックされます。 - 色の塩ビ管がピッタリ
- これから取り付ける宝石顕微鏡に合う色はネズミ色の塩ビ管パーツですが、
接眼レンズが固定できるベージュ色のパーツも捨てがたい…。
迷ってしまい、一個ずつ購入して様子を見ます。
塩ビ管パーツ切断
- ネズミ色かベージュにするか…
- ネズミ色のチューブとベージュ色のチューブのどっちを使うか迷いましたが、試すとベージュでは違和感があります。ネズミ色の塩ビ管パーツを使います。
- 塩ビ管を切断
- ネズミ色の塩ビ管に宝石顕微鏡純正のチューブの長さに合わせて印をつけて、まっすぐに切断。
いよいよ分解
- 右側の接眼レンズ取り付けチューブを外す
- チューブをつかんで力いっぱい回したら、パキッと音がして緩みました。でも、回しても回しても一向に取れません。
- 裏側でリング一緒に回っている
- 疑問に思い、先にプレートを外してみたら、ネジが切ってあるリングがプレートから外れて一緒にクルクル回っていました。
- リングを固定する
- 裏からネジのリングを押さえてチューブを回して、ようやく外すことができました。
プリズムの取り外しと清掃
- プリズムユニット
- 調子に乗って分解して光軸が狂うとイヤなので、プリズムユニットは分解しないでおきました。
- 綿棒が真っ黒に
- プリズムを綿棒でやさしく拭くと、綿棒が真っ黒に!けっこう汚れてます。
どんどん分解
- なんか、顔見たい
- 外せるところは分解して、レンズを清掃します。
- 綿棒でレンズを拭いておきます。左と中央の写真はロボットで、右はかわいいフクロウみたい。
顕微鏡のヘッド部分の分解終了
- 分解は、ほどほどに
- 左の画像のプリズムも、光軸が狂うと困るので分解しません。簡単に清掃できるところだけ清掃しておきます。
- ヘッド部分の分解も終了しました。
オーバーヘッドライト
- 蛍光灯のチェック
- 蛍光灯が点灯しないので、まずは蛍光管が取り付けられているかを確認。
- 残念ながら初歩的な蛍光管のトラブルではなさそう…。清掃がてら目視でチェック。おや…?
- 1本外れてる
- 3本のコードのうち、1本のコードのハンダがとれていました。
- ハンダで付け直したら、あっさり点灯。単なる断線でした。
暗視野照明ステージの取り外し
- 小さな隠しネジ
- 遮光版を回すための黒いつまみにある、小さな隠しネジ(イモネジ)を緩めて、黒いつまみを外します。
つまみの次は、台座も外します。
暗視野照明ユニットの取り外し
- 蛍光灯用の安定器
- 暗視野照明ユニットを取り出すために、邪魔になりそうなプレートを外しておきます。ここには蛍光灯用の安定器が取り付けられています。
- 小さなネジを一本だけ
- 暗視野照明ユニットの取り外しは、裏側から小さなネジ一本でOK…? 暗視野照明ユニットのネジ穴は3つ。ボディのネジ穴は1つ…。
- 2か所だけの固定で大丈夫なのかな?
- 暗視野証明の明かりは、電球の緩みが原因
- 暗視野照明のランプが衝撃で点灯したり消灯したりする原因は、電球が緩んでいるだけでした。しっかり締めたら、問題なく点灯。
- 電気系統のトラブルは全て完了。簡単なことばかりで良かった。
組み立て… の前に
- 手の届くところはきれいに清掃
- 汚れていたので、どんどんきれいになります。
- 暗視野照明は、顕微鏡ステージの黒いつまみを回して遮光版を切り替えることによって、暗視野照明の底から光が調整できます。ところが、遮光版切り替えのつまみを回すたびに何かに擦れて動きがぎこちない。
- 斜めになっている?これが原因か?
- 取り外してみたら、ネジ穴が2個ずつ…?何のため?
しかも、中央の画像のように斜めに取り付けられている…。よくわからなかったので、組み立てる時は平行に取り付けました。
暗視野照明ユニットの清掃
- 光が反射するように磨く
- 取り付け前に暗視野照明ユニットを磨いておきます。
顕微鏡を覗いたときに、明るくなって宝石が見やすくなることを期待して、丁寧に磨きます。 - 左の画像はあまりの曇りっぷりに我を忘れて撮影前に少し磨いてしまいました。それでもまだ曇っています。右の画像になるまで磨いておきました。
暗視野照明ユニットの清掃
- 接着剤がはみ出して汚い…
- 左の画像は、底からの光を通すパーツ。光の通り道にまで接着剤のようなものが着しています。
- 中央の画像のパーツも磨いて鏡面に
- 右側の画像は、下からの直接光をさえぎるときの遮光版を取り付けた状態です。平らに取り付けたらスムーズに動くようになりました。
分解したときと逆の順序で組み立て
- 遮光版もスムーズに
- 黒いつまみを回して使用する遮光版もスムーズに動くようになりました。といってもダイヤモンド鑑定の際には使用する機会はほとんどなく、中央の画像の状態で使用します。
- 水道補修用の白いテープを巻いて押し込む
- 接眼レンズを取り付けるための、自作チューブ。結局、塩ビ管を切断しただけの簡易パーツです。水道補修用の白いテープを巻いて取り付けました。
その場しのぎの補修だけど、完成!
試しにダイヤモンドを観察してみたら問題なく見えました。
- インクルージョンを発見
- VVS1のグレーディングレポート(鑑定書)付のダイヤモンドをこの顕微鏡で確認したところ、インクルージョンを発見することができました。画像はVS1のインクルージョンを撮影しました。
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