ブレミッシュ(Blemishes) - 表面特徴
研磨済みダイヤモンドの表面(外部)にある特徴
ブレミッシュとは、研磨済み第ダイアモンドの表面にみられる結晶面の残りや、研磨過程にる欠点を表す外部特徴を表します。ブレミッシュをワークシートへは「緑色」のインクで対応する位置に記入しますが、グレーディングレポートにはブレミッシュを記載することはほとんどありません。*ブレミッシュのうち、エキストラファセット(EF)は緑色ではなく黒の実線で記入します。
- ナチュラル(Natural : N)
- 研磨済みダイアモンドに残された、原石(結晶)時の表面(肌)。ナチュラルはガードル上に残ることが多く、表面にトライゴンを確認できる場合もある。 ナチュラルがガードル上ある場合、ガードルを厚くしたり、輪郭を歪めない場合にはブレミッシュとみなさない(むしろ効率の良いカッティングと考えられる)。一本の線をナチュラルのある位置とサイズに合わせて記入する。
- エキストラファセット(Extar Facet : EF)
- ラウンドブリリアントカット(58面)など、決められたファセット面より多い余分な研磨面。エキストラファセットは、表面にある僅かなインパーフェクションを取り除くためにつけられる場合も多い。エキストラファセット(EF)は、黒インクで記載する。
以下のブレミッシュ項目は、グレーディングした際に鑑定機関で保存するワークシートへはブレミッシュとして記載しますが、皆様が手にするグレーディングレポート(鑑定書)へは、通常は「識別特徴」以外のブレミッシュ項目の記載ありません。
- ピット(Pit)
- 極小の穴、非常に浅いくぼみ。白色の小さな点に見える。プロット図へは、緑色の小さな点で位置を記す。
- ニック(Nick : Nk)
- ガードルに見られるクリベージに沿った欠け、欠損部。ガードル方向へ向けて緑色で小さな「 v 」で位置を記す。
- サーフェイスグレイニング(Surface Grainning : SGr)
- サーフェイスグレイニング(グレインライン)は、ダイヤモンドの結晶構造の不規則性が目に見える形で表面に現れたもの。研磨表面にみえる結晶成長の跡(成長線)。確認できたグレインラインの方向に合わせて、緑色の破線で記入する。
- スクラッチ(Scratch : S)
- ダイアモンドの表面を、別のダイアでこすった場合にできる白い筋(引っかきキズ)。研磨の際の研磨ラップ(ダイヤモンドを磨く際に使う高速回転する研磨台)がデコボコで傷がつく場合もある。ダイアグラムに緑色の線で位置を記す。
- アブレージョン(Abrasion : ABr)
- ファセット稜線上の連続した小さな欠け(白い点々)又または摩耗。アブレージョンは、他のダイヤモンドと一緒に保管された際に、ダイアモンド同士が擦れてできる場合がある。小さな緑色の点々で位置を記す。
- ポリッシュライン(Polish Lines : PL)
- 研磨の時についた、1つのファセット面の細かな平行線。ポリッシュラインは、ファセット一面ずつに異なった方向に出来る。緑色の平行線で記入する。
- ポリッシュマーク(PM)
- 研磨の際の加熱により生じた表面の白色の曇りまたは焦げ。バーンマーク(Burn Mark)と呼ばれることも多い。*ダイアグラムへの記載シンボルなし。
- ラフガードル(RG)
- 擦りガラス状、または角砂糖ようなガードルの表面。最近の婚約指輪用ダイアモンドのガードルは、ファセット仕上げがほとんどです。ラフガードルはファセットに比べ、油分や汚れがたまりやすく、黒ずみやすいです。
*ダイアグラムへの記載シンボルなし。 - *ベアデッド ガードル(Bearded Girdle : BG)
- ブルーディングした際にできるガードルから内部に伸びる小さなフェザー。ベアディングの顕著なダイアモンドは、フェイスアップから見ると、ガードルが白っぽく見える。*ベアデッドガードルにプロットシンボルはなく、ポリッシュ項目としてとらえます。プロット図の対応する位置とサイズに合わせて小さなフェザーを記入します。
多くのブレミッシュは、軽い再研磨を施すことで取り除ける場合が多いですが、見た目(外観)と価値に与える影響は少なです。ブレミッシュが目立ち、フローレス(F)やインターナリフローレス(I.F.)グレードに影響がある場合は再研磨の価値があるかもしれません。
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