理想の輝く角度 - カットグレーディング
研磨済み58面体ラウンドブリリアントカットの評価方法
カットグレードは、光学的な測定器を用いて計測したダイヤモンドのプロポーション、寸法、ファセット角度などのデータに加え、表面の状態を表すポリッシュと、対称性を評価するシンメトリーを確認して総合的に判断します。
GIAのダイヤモンド評価システムのカットグレードとは、原石がらカット&研磨された58面体のラウンドブリリアントカット・ダイヤモンドのみが評価対象です。ダイヤモンドのプロポーションとフィッシュ(ポリッシュとシンメトリー)の総合評価です。
評価の目的は、ダイヤモンドのフェースアップの外観に影響するファセットのプロポーションを測定します。
これらのプロポーションを基に、GIAではそのダイヤモンドがいかにうまく光と相互作用し、次のような望ましい視覚効果を生み出すかを評価します。
ダイヤモンドは、光の透過・反射能力が非常に優れていることで知られます。
- プロポーション
- ダイヤモンドのテーブルの大きさ、クラウンの角度と深さ、パビリオンの角度と深さなどを計測した数値です。
- ポリッシュ(研磨)
- ダイヤモンドの研磨の状態、ポリッシュライン(記号PL)や、スクラッチ(記号S)、ベアデットガードル(記号BG)などを検査し判断した項目。
- シンメトリー(対称性)
- きちんと真ん丸(真円)か、ファセット(平面)の先端がきちんと合うか、テーブルやキューレットが中心にあるかなどを検査し判断した項目。
この3つの項目からカットグレードが判断されます。
プロポーションについて 作成中
ポリッシュ&シンメトリー 作成中
誰が考えたの?
1919年に、マルセル・トルコウスキーが、トルコウスキーカットを発表しました。
プロポーションの範囲
Table | 53.0%-60.0% | ||
---|---|---|---|
Crown% | 13.0%-16.0% | ||
Crown Angle | 33.0°-36.0° | ||
Girdle | Thin-Medium | ||
Pavilion% | 42.0%-44.0% | ||
Pavilion Angle | 40.0°-41.0° | ||
Total Depth | 59.0%-62.0% |
どのようにカットを評価するの? カット評価の歴史
GIAのレポートで、カットのデータのみ表示。1944年に日本のAGL(宝石鑑別協議団体)が、カットの総合評価を開始。この評価は、角度や比率などの数値が理論値にどれだけ近いかを評価したもので、実際にキラキラ輝くかといえば完全とは言えなかったでしょう。
しかし、ダイヤモンド売買に携わる業界や、お店、購入者にとっても判断しやすく便利なものでした。
2006年1月にGIAもペインティングとディギングアウトの評価を加え、さらに、主観評価も加えたカット評価を開始しました。ダイヤモンドのプロポーションを評価する、SARIN(サリン)やOGI(オギ)といったプログラムに組み込んで評価するようになりました。
同年4月には日本でもGIA方式によるカットグレードに移行。
- カットグレードがエクセレントになる条件
- プロポーションの各数値が基準内であることと、ポリッシュとシンメトリーはVery Good以上、ガードルコンディションなども考慮される厳しい基準です。
- トリプルエクセレントとは?
- ポリッシュとシンメトリーとカットの総合評価の3つすべてがエクセレントのダイヤモンドをトリプルエクセレントと呼びます。トリプルエクセレント同時にハート&キューピッドが現れます。
- ハート&キューピッドとは?
- ある範囲のプロポーションを持ち、シンメトリー(対称性)の整ったダイヤモンドを特殊なスコープで覗くと特有の模様が見えます。
テーブル面側からは、8本のアローマーク(矢)
パビリオン側からは、8つのハートマーク - 自分の眼で見て、輝いて見えるカットを見つけよう
- ラウンド・ブリリアントの中でも、アイデアル・カットや、○○カット、○○エクセレントなどありますが、絶対というものはありません。素直に、輝いて見えるダイヤモンドを選ぶとよいでしょう。
ファンフィー・シェイプのカットグレードについて
通常、58面体のラウンドブリリアント以外ダイヤモンドのシェープにはカットグレードの評価はありません。たとえラウンドカットでも、多面もカットグレードの対象外です。
- ペア・シェイプ
- マーキス
- ハートシェイプ
- オーバル
- エメラルドカット など
ダイヤモンドの品質を見分ける グレーディングの世界
ダイヤモンドのグレーディングレポートを発行する際に調べるポイント。検査項目や評価方法を簡単にご紹介します。婚約指輪用のダイヤモンドをお探しの際、新潟市のアトリエトントンにお越しいただければ、実際に宝石鑑定用の顕微鏡を使って、実査にダイヤモンドをご覧いただけます。