色を見分ける - カラーグレーディング
ダイヤモンドの色(カラー)の評価方法 無色を最高とするカラーグレード
カラーグレーディングは、調べるダイヤモンドのルース(裸石)が、色基準となるマスターストーンと比べて、明るいか?、暗いか?、それとも同じか?判定する作業です。
- G.I.A.カラーグレーディングシステム
- GIAのカラースケールは無色を最高とする「Dカラー」で始まり、明度と彩度を組み合わせた色の「濃さ」を鑑定して評価します。
例えば、「Eカラー」のマスターストーンといえば、Eカラーのスタート地点(ボーダー)に見える色のダイヤモンドです。この「Eカラー」のマスターと検査するダイヤモンドを比べた場合に明るく見えたら「Dカラー」。色がついて見えたら「Eカラー」以下であるといえます。 - 色の表現には色相・明度・彩度を用います
- 天然ダイヤモンドの一般的なカラーである、イエローやブラウンなどは、「明るさ」又は「暗さ」を表す「明度」と、色の「鮮やかさ」を表す「彩度」の2つの基準で評価します。
- 色相は、ブルーやピンク、グリーンなど、イエローやブラウンやグレーなどを除いた色そのものを判断します。ファンシーカラーダイヤモンドに用います。
- 認定マスターストーンとは?
- ダイヤモンドのカラーグレーディングを一貫して正確に行うために、色の基準となるダイヤモンド「認定マスターストーン」と比較します。マスターストーンの条件は、0.3~0.4ct程度で、ほぼ同サイズの組み合わせ作ります。また、強い蛍光性が無く、クラリティはSi1以上で色に影響のないインクルージョンであることと、カットスタイルはは58面体のそれなり良いプロポーションのダイヤモンドであることが条件です。
*宝石業界では無色、「カラーレス」ことを、「白い」と呼ぶことがあり、時々「白いダイヤモンド」と耳にすることがありますが、色味のない綺麗な無色のダイヤモンドを指すことが多いです。
カラーグレーディングの手順
カラーグレーディングを始める前に、ダイヤモンドの取り違え防止のためにプロット作業を終わらせましょう。
- 石表面の汚れをジェムクロスで綺麗に落とす
- 紫外線を含む色比較用の専用の光源下で観察する。背景には白く蛍光や反射の無い素材を使用
- すでにカラーグレード済みで基準となる「マスターストーン」を横に並べて比較。石の観察方向はパビリオンに対して垂直か、ガードルに対して平行な位置で、マスターストーンと同じ位置を検査する。必ず、マスターストーンと検査対象の左右を入れ替えて確認する。
- 検査対象のダイヤモンドの色の濃さの程度が、どのマスターストーンの間(範囲)にあるかを判断する。
- カラーグレードを最終決定。
- マスターストーンとの取り違え防止のため、検査したダイヤモンドで間違いがないかプロット図と必ず確認。
GIAのDからZ までのカラーグレーディングシステムでは、一定の照明と厳密な観察条件の下で一つの石をマスターストーン(基準石)と比較し、その石の無色度を測定します。
ブルーやピンク、グリーンなどはファンシーカラーダイヤモンド
ファンシーカラー・ダイヤモンドを除き、無色透明(最高Dカラー)なものほど高価です。カラーグレードは「熟練した」2人以上の宝石鑑定士が、適切な光源下で検査して決定します。
- 「Z」より色が濃いイエローはファンシーカラー
- 無色透明かを、(カラー)マスターストーンと比較して検査します。
- Zはファンシーカラーダイヤモンド?
- いいえ、そうではありません。ファンシーカラーダイヤモンドと呼ばれるのは、通常のカラースケール外の色味を持つ天然のカラーダイヤモンドです。米国のFTC(連邦取引委員会)は「ファンシーカラー」という用語の定義について特にガイドラインを設けていませんが、国際取引における一般的な合意事項として、ファンシーカラーダイヤモンドとはZのマスターストーンよりも濃いイエローまたはブラウンのダイヤモンドか、イエローとブラウン以外の色のダイヤモンドとされています
GIAのカラーグレードは、何でDカラーが最高なの?
GIAのカラーグレーディングシステムがDから始まる理由は、GIAカラーグレードが世界標準になる前の他の基準との混同を避けるため。
GIAカラースケールの考案者は、他の評価システムとは一切関係ない「D」を最初の文字に決めました。
- Dカラーが最高の噂 新たにCカラーが発見された時のため?
- それは、今後どこかでCカラーが発見された時のために、先頭をDカラーにしたという説です。しかし、GIAのテキストに上記Dカラー先頭の経緯が記載してありますので、Cカラー説は単なる噂です。個人的にはCカラー説は夢があって好きなのですが…。
- 稀に出会う2型(type2)のダイヤモンド
- 仕事でのダイヤモンドのソーティング最中、たまに2型でDカラーのダイヤモンドがあります。2型のDカラーが全てというわけではありませんが、稀にはっとするほど無色のダイヤモンドに出会うことがあり、仕事中の嬉しいひと時でした。
ダイヤモンドの品質を見分ける グレーディングの世界
ダイヤモンドのグレーディングレポートを発行する際に調べるポイント。検査項目や評価方法を簡単にご紹介します。婚約指輪用のダイヤモンドをお探しの際、新潟市のアトリエトントンにお越しいただければ、実際に宝石鑑定用の顕微鏡を使って、実査にダイヤモンドをご覧いただけます。