トルマリン TOURMALINE

虹の7色がすべてそろった宝石トルマリン  鉱物名:トルマリン

熱や圧力が加わると電気を帯びる宝石・トルマリン。絵の具パレットと言われるほど、カラーバリエーションが豊富でバイカラーやトリカラー、キャッツアイの特殊効果もあり魅力いっぱいの宝石です。

トルマリンは、同じ結晶構造を持っている13種類の鉱物グループの総称で、主な産地は、スリランカ、ブラジル、タンザニア。8年目の結婚記念石。

  • 誕生石 : 10月
  • 星座石 : 
  • 宝石言葉  : 成功、寛大、友情など
トルマリンのものがたり(歴史やエピソード)
トルマリンはあまりにも多彩な色を持つため、昔は同一種であることが分かりませんでした。そこで、それぞれ見た目の色によって名前を付けられています。 宝石学の発達により分類されたあとも、ルベライトやインディゴライト、ドラバイト、アクロアイトなどの宝石名で呼ばれます。
間違われてきた宝石
紀元前から使用されてきた歴史の長い宝石ですが、トルマリンとしての区分がはっきりしなかったため、由来や言い伝えがほとんどありません。
赤いトルマリンはルビーに、青はサファイアに、緑はアパタイトやガーネットに、黒はオブシディアンに間違われたことがあったようです。

トルマリンの色と特徴

トルマリンのベースはホウ素を含んだアルミニウム硝酸塩鉱物ですが、他の元素が複雑に混入するために、カラーバリエーションがうまれます。複雑な化学組成で、多くの変種があります。

ルベライト RUBELLITE
ルビーに似た赤い石として名付けられた宝石「ルベライト」。加熱、または照射処理されていることがあります。また、処理の看破は不可能とされています。集中力を高め、個性を伸ばすといわれる宝石です。
グリーン・トルマリン GREEN TOURMALINE
トルマリンの中では、もっとも一般的なカラー。エルバイト系。グリーンといっても若草のような黄緑色から濃青緑色まで、多様な色合いです。加熱、または照射処理されていることがあります。また、処理の看破は不可能とされています。心を安らかに、健康を象徴するといわれます。
インディゴライト
その名の通り、インディゴカラー・藍色です。
リチウムを含む、エルバイト系
パライバ・トルマリン PARAIBA TOURMALINE
1989年に発見された、鮮やかなネオン・ブルーのパライバ:トルマリン。ブラジルのパライバ州から産出される、鮮やかな青色の宝石です。目を引き付けられる華やかなネオン・ブルーの色因は、銅が多量に含まれたことによります。産出量は少ないですが、パライバ・トルマリン独特の若々しいブルーの魅力で、人気があり高価な宝石です。加熱処理されることがあります。
バイカラー・トルマリン
結晶の成長途中で色が変わり、1つの宝石に2色があるトルマリン結晶のこと。ピンクとグリーン、ピンクとブルーなどがあります。バイカラー・トルマリンは人為処理をすると、宝石内部に亀裂が入りやすく、他のトルマリンに比べて無処理の宝石が多いようです。3色になるとトリカラーと呼びます。
ウォーターメロン・トルマリン
ウィーターメロン・トルマリンの柱状結晶を輪切りにすると、中央がピンク色でまわりは緑色。まるでスイカを輪切りにしたような宝石です。エルバイト系
ピンク・トルマリン
同じトルマリン・グループのルベライトに隠れてしまいそうな、優しいピンク色のトルマリン。この優しくて美しいピンク色は、ルベライトと同じマンガン元素によるものです。エルバイト系。恋人たちの愛を育む宝石と言われています。色をより濃くするための放射線照射処理を施されている場合が多いです。
ピンクのトルマリンは2種類あり、ピンク・トルマリンに含まれるナトリウム元素がカルシウムに置き換わると、リディコタイトという別のピンク色のトルマリンになります。
ブラック・トルマリン BLACK TOURMALINE
鉄分を多く含む黒色のトルマリンのこと。ショールと呼ばれることもあります。ビクトリア時代には、喪服用の宝石として利用されました。
電気を帯びる鉱物
トルマリンがホコリを引き寄せることがあります。
これはトルマリン独特の、静電気(焦電気pyroelectricity)を帯びる不思議な性質によるものです。
熱を加えたり摩擦したり、圧力をかけると帯電するので、日本ではそのものズバリ「電気石」の名がつきました。
名前の由来
スリランカのシンハリ語の「トゥルマリ」から来ています。トゥルマリは「宝石の砂粒」ともいわれます。日本では、電気石(でんきいし)と呼ばれます。

トルマリンの鉱物データ

トルマリンは同じ結晶構造をもつ鉱物のグループ名なので、各鉱物により異なる化学組成を持ちます。

リチウム(Li)を主成分としたリチア電気石、エルバイト。

マグネシウム(Mg)を主成分とした苦土電気石、ドラバイト。

  • 化学組成 : Na(Li,Al)3Al6B3Si6O27(OH,F)4
  • 結晶系 : 六方晶系(三方晶系)
  • モース硬度 : 7~7.5
  • 光学特性 : DR 1軸性ネガティブ
  • 屈折率 : 1.624~1.644(+0.011~-0.009)
  • 複屈折 : 0.018~0.040 通常は0.20
  • 比重 : 3.06(+0.20、-0.06)
  • 靱性:可
処理
市販のトルマリンの多くに、加熱処理や照射処理が行われています。現在の鑑別では、処理の判定はつきません。バイカラー・トルマリンは比較的、無処理のようです。
宝石鑑定士の目線
トルマリンには特徴的なチューブ・インクルージョンがあります。これにより、シャトヤンシー効果(キャッツ・アイ)が出るトルマリンが生まれます。トルマリンの結晶は、水晶の中で育っていることがあります。

ご自身で宝石を楽しむためのアトリエトントンからのアドバイス

くすみのない鮮やかな色を選びましょう。色が濃すぎると暗く見えます。

お手入れ
トルマリンの普段のお手入れは、布で乾拭きするだけでも十分です。
汚れがひどくて洗浄する場合は、排水溝に流れていかないよう、洗面器にぬるま湯をためて、洗剤をつけた歯ブラシ等で優しく洗ってください。
超音波洗浄機は避けたほうが安全です。中にある小さなクリベージ(ヒビ)が、超音波の振動で大きく割れてしまうことがあります。
  • 超音波洗浄機  : 危険
  • 酸  : ?
  • 温度変化  : 注意
  • ぬるめの石鹸水  : 安全

電気石ですので、ホコリや塵を集めてしまうことがあります。柔らかい布でやさしく拭きとってください。

宝石全般に言えることですが、他の宝石とぶつけないことと、強い衝撃を与えないようにしましょう。

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