銀(シルバー)について
手作り使う素材、「銀(SILVER)」についてのお話
ドラキュラに「銀の十字架」、狼男には「銀の弾丸」を打ち込むというお話を耳にしたこともある方もいると思います。古来シルバー(銀)は、神秘の力があると信じられ、お守りや魔除けに用いられたと伝わります。
毒物による暗殺が頻繁に行なわれてといわれる中世のヨーロッパでは、食事の時に細心の注意が必要でした。当時、銀は毒に触れると曇る(化学反応により変色する)とため、銀食器が使用されるとこもあったようす。また、食べ物と銀製品の話では、赤ちゃんに「銀のスプーン」をプレゼントと「食べ物に一生困らない」とう言い伝えもあり、日本でも広がりつつあるようです。*銀は熱伝導に優れるため、「銀のスプーン」を使うと食べ物やや飲み物を口に運ぶ前にスプーンを持つ手に熱さ(温度)が伝わるため、火傷の防止になります。
- 呼び方の由来
- 日本では「しろがね」とも呼ばれるシルバー。 銀の元素記号である「Ag」は「輝く」を意味するギリシャ語のArgosに由来するといわれ、ラテン語は「Argentum(オージェンタム)」。
- 銀の特性
- 特有の銀白色で、可視光線の全域にわたって金属中で最も高い反射率を示します。室温における熱伝導は金属中で最も高く、電気抵抗は最も低い(電気伝導率に優れる)金属です。
銀(シルバー)と月や女性のイメージを結びつけることも多く、ギリシア神話に登場する太陽神アポロン(ゴールド)に対して、月の女神アルテミス(シルバー)や、中世ヨーロッパの錬金術師たちによる「月の女神ルナ」との呼び方もあります。
シルバーの品位に対する呼び名
古くから銀の品位として有名なのは「シルバー925(しるばーきゅうにいご)」で、スターリングシルバー(Sterling Silver)とも呼ばれます。12世紀頃のイギリスで貨幣鋳造として実用化された、銀貨の品位です。スターリング(sterling) には、「優れた」や「真正の」という意味もあります。
- アクセサリーに用いられるシルバー合金
- 貴金属は品位を表す単位として1000分率が用いられます。表示記号は「‰(ぱーみる)」。シルバー1000(999.9)は「純銀」を表し、シルバー925(きゅうにいご)は全体の92.5%が銀であり、残りの7.5%に他の金属(通常は銅)を含んだ銀合金であることを表します。
- 銀を合金にする理由
- 合金にする理由は、純度の高い純銀のままではシルバーアクセサリーや銀器としてもやわらかすぎる為、他の金属を混ぜた合金にして強度を持たせます。合金にするのはシルバー(銀)に限らず、ジュエリーに用いられるゴールド(Au)とプラチナ(Pt)も同様です。
- Silver 925
- 銀 925‰(925/1000)と銅 75‰(75/1000)の銀合金。キャスト(鋳造)製品に良く用いられる品位。硬度(Hv)は約70~150で、密度は10.4。
- 五部落ち(ごぶおち)銀
- 銀 950‰の銀合金で彫金や手作りの銀合金としれ用いられることも多い品位で、Silver 950とも表記されます。硬度(Hv)は約50~110で、密度は10.4。
- 純銀(じゅんぎん)
- 999.9‰の銀。Fine Silver(ファインシルバー)やPure Silver(ピュアシルバー)と呼ばれることもあります。業界用語で純銀のことを「さら(更)」とも呼びます。硬度(Hv)は約25~100で、密度は10.5。
銀(Ag)に銅(Cu)を加えた合金はシルバーアクセサリーに良く用いられます。