金づちでたたく鍛造作業
シルバーアクセサリーの作り方2 金づちでトントンたたく
前回の純銀の熔解でできた銀のインゴットを、金づちでたたいて打ち延ばします。叩いた銀材がローラーに通せるようになったら、ローラーにかけて角形の希望の幅の棒材を作ります。
シルバーアクセサリー作りに必要な銀材を準備します。甲丸・平打ち・槌目どの形状の指輪も、打ち延ばしまでは同じ工程です。初めに、インゴットから約4.0mm x 4.0mmの角棒を作ります。
金づちで叩いて締める - 鍛造作業
あけ型から取り出した地金を金づちで叩いて締める鍛造(たんぞう)作業です。たたいて延ばす作業は、シルバーアクセサリー作りの基本作業です。
- 四面をたたき、地金を締める
- カラカミ槌(金づちの形状)を使い、金床の上で銀地金を叩きます。叩くことで地金がギュッと締まり、割れにくく加工しやすい地金に変化します。自分の指を叩かないように注意しましょう。画像では地金を手で持っていますが、ヤットコ(ペンチ等)で固定することも多いです。
- 形が変化してきました
- この作業は、銀粘土やワックス鋳造で作るシルバー製品と異なり、手作りならではの工程。銀材の「やわらかい」「かたい」といった感覚を、自分の手で感じてください。裏表180度に交互に返してたたくと歪みにくいです。
- 良い地金になるように気持ちを込めて
- アトリエトントンでのペアリングじっくり体験コースでお二人に最初に行っていただく作業です。良いペアリングが完成するように、気持ちと力を込めましょう。リズミカルに“トン・トン”!ローラーに適した太さになるまで、金づちで叩きます。
銀を赤くなるまで熱し、急冷する焼きなまし作業
銀を赤くなるまで熱し、急冷する焼きなまし作業
- 焼鈍(やきなまし)
- 銀は叩くや曲げるなどの加工を続けると、徐々に硬さが出てきます。硬化した銀は加工しにくく無理をすれば割れてしまうこともあります。適度のタイミングで、焼鈍(やきなまし)の作業を挟むことで、銀を軟らかい状態へと戻します。「なまし」の方法は、適度な温度まで加熱して急冷します。
- ガスバーナーで、銀がほのかに赤くなるまで加熱
- ガスバーナーの炎で純銀を加熱すると、徐々に光沢が消えて白っぽくなります。さらに、淡い桜色へと変化。*熱しすぎると表面が溶けるので、注意が必要。体積が小さければ小さいほど、すぐに温度が上がり溶けます。
- 水に入れて急冷
- 桜色になったら加熱を止め、水か希硫酸に入れて急冷します。焼なましをすると、再び叩いたり曲げたりの加工がしやすくなります。銀が硬くなるたび、このなまし作業を繰り返します。
溝ロールを使い、銀の角棒を作る
- 溝ロール
- 金づちで形を整えて、良く締まった地金を、溝付きロールにかけます。ローラーの調整は強く締めず少しずつ細くなるように、軽い力でハンドルが回せる程度で使います。地金は一定方向に通します。
- 倍の長さになったら焼鈍
- ロールにかけると、銀が細く、長く形を変えます。初めの2倍の長さになったら、焼き鈍しをします。銀の4.0mm角棒の完成です。
- 指輪のデザインを決める
- この先、甲丸リングと平打ちリングで工程が分かれます。どちらのデザインの指輪を作るか決まったでしょうか?甲丸リングは、もう少し細い2.8㎜の角棒になるまでローラーの作業を続けます。平打ちリングは、完成した4.0mm x 4.0mmの角棒を厚さ2.0mmになるまで平らにつぶして平板にします。
この作業は、指輪だけでなくシルバーアクセサリー作りの基本です。アトリエトントンのじっくり手作りコースでは、この鍛造作業から手作りを始めていただいております。お時間に余裕のない場合は、アトリエトントンで鍛造した材料を準備した手作り体験コースで指輪を作れます。
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